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労働判例ジャーナル96号(2020年・3月)

《注目の判例》
性同一性障害者の性自認に対応するトイレの自由利用に対する制限の違法性

経済産業省職員(性同一性障害)事件

 本判決は,性同一性障害の経済産業省職員(以下,「本件職員」という)が自己の性自認する性別に対応するトイレの自由利用を制限する庁舎管理権に基づく経済産業省の措置が違法であり,国家賠償法に基づき損害賠償を求めたものである。また,本件職員は,経済産業省がとったトイレの利用制限を中止することなどについて人事院に措置要求をしていたが(国家公務員法86条参照),本判決は,人事院がこの措置要求を認めなかったことを裁量権の逸脱として,人事院の判定を取り消した。
 本件は,国家公務員の事案であり,国家賠償法に基づく損害賠償および国家公務員の措置要求に対する人事院の不承認の判定の取消し請求という訴訟になったが,就業の場における性同一性障害者に対する対応は,今後,民間企業でも大きな問題となる可能性があり,その意味でも本判決は重要な意義を有すると言えよう。

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