「パワハラの防止措置指針案の了承と労災認定基準の見直し」

パワハラ防止措置義務の具体的内容を定める指針「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」案(以下「指針案」)が2019年11月20日開催の厚労省労働政策審議会雇用環境・均等分科会で了承されました。指針案は2020年1月上旬の告示、2020年6月1日適用の予定です。

指針案では、労働施策総合推進法におけるパワハラの定義を構成する「職場」「労働者」「優越的な関係を背景とした」「業務上必要かつ相当な範囲を超えた」「労働者の就業環境が害される」の意味内容やその該当性判断基準が比較的詳細に示されています。その上で、従来からのパワハラ6類型について、「該当すると考えられる例」と「該当しないと考えられる例」が示されていますが、指針案全体の中で、これらの例示は、指針素案で受けたイメージよりも控えめに記載されている印象です。パワハラ防止措置の骨格については、セクハラやマタハラの防止措置と同一の内容が示されています。
なお、セクハラについての「事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針」や、マタハラについての「事業主が職場における妊娠、出産等に関する言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針」も、事業主や労働者等の責務規定の導入やカスタマーハラスメントへの対応、LGBTや不妊治療中の労働者に対するハラスメントをも射程とすることの明確化等のため改正されます。告示や適用の予定日はパワハラと同一です。
さらに、パワハラに関しては、2019年11月15日に開催された労政審労働条件分科会労災保険部会で、パワーハラスメント対策の法制化を踏まえて、本年度中に有識者検討会を設置し、精神障害の労災認定基準にパワハラを明示する方向での検討が予定されていることが明らかになりました。なお、精神障害だけでなく脳・心臓疾患の労災認定基準も含め認定基準全般について、有識者検討会による検討を行うとのことですので、今後この動向にも要注目です。
(五三・町田法律事務所 弁護士 町田悠生子)

 

(2019年11月27日 更新)

 

★当コラム担当の町田先生が講師のセミナーを開催いたします★この機会にぜひご参加ください

ー働き方改革関連法に対応した就業規則の見直しセミナー【全2回】ー
【1】 就業規則改定-働き方改革関連法関係/11月11日(月)【オンライン&オンデマンド対応】:開催済み
【2】 就業規則改定-その他規定の見直し総点検-」/12月9日(月)【オンライン&オンデマンド対応】
※いずれかの1回のみの受講も可能です。

一覧へ戻る