「改正育児介護休業法に関するQ&Aや施行通達等の公表」

 本年11月30日、厚生労働省は、改正育児介護休業法(令和3年法律第58号)に関するQ&A(同日時点版)を公表しました。また、2023(令和5)年4月1日施行の改正事項である育児休業等の取得状況の公表に関しても、施行規則や施行通達等の内容が明らかとなりました。

 
 まず、Q&Aでは、①全体、②妊娠・出産の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置、③育児休業を取得しやすい雇用環境整備の措置、④有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和、⑤出生時育児休業について、⑥出生時育児休業期間における休業中の就業、⑦育児休業の分割取得等、⑧職場における育児休業等に関するハラスメント、⑨育児休業の取得の状況の公表の義務付け(従業員1000人超の企業が対象)について、個別のQ&Aが列挙されています。全体的に目を通しておくことが望まれますが、特に注意すべきものとしては、例えば、②について、「労働者が周知や意向確認の措置が不要である旨の意思表示をしていた場合であっても、事業主は、当該労働者に対し措置を講ずることが求められます」(A2-3)とされている点です。これは、育児介護休業法が定める事業主の措置義務は、事業主が国家に対して負う義務であって、個々の労働者に対して負う義務ではないことの表れといえます。また、④に関し、改正法施行前後の労使協定の取扱いに関し、「既に締結している労使協定において、引き続き雇用された期間が1年未満の労働者について有期雇用・無期雇用を問わない形で除外していた場合、労使協定を締結し直さなくとも、改正法の施行後は有期雇用・無期雇用問わず当該労使協定により除外されると解して良いですか」とのQについて、Aでは「改正法の施行後において、有期雇用労働者も含めて、引き続き雇用されていた期間が1年未満の労働者について、法第6条第1項ただし書に基づき当該申出を拒む場合は、そのことについて、改めて労使協定を締結していただく必要があります」とされている点は注意を要します。

 
 次に、育児休業等の取得状況の公表に関しては、施行規則において、次のいずれかの割合について公表しなければならないものと定められました。以下の「事業年度」とは各事業主における会計年度をいいます。
 ア 雇用する男性労働者のうち、公表前事業年度において配偶者が出産した者の中の、育児休業等(出生時育児休業を含む。)を取得した者の割合
 イ 雇用する男性労働者のうち、公表前事業年度において配偶者が出産した者の中の、育児休業等を取得した者又は育児を目的とした休暇制度(子の看護休暇を除く)を利用した者の合計数の割合

 
 公表は、公表前事業年度終了後速やか(概ね3か月以内)にインターネット等において行うことが求められます。すなわち、初回の公表は2023(令和5)年6月末頃までに行なわなければならないということです。公表内容は、2022(令和4)年度の取得状況となりますので、2022(令和4)年は、他の改正事項の施行対応も含め、積極的に男性の育児休業等の取得に取り組むべき年となりそうです。

 

五三・町田法律事務所 弁護士 町田悠生子

 

※令和3年改正育児・介護休業法に関するQ&A(令和3年11月30日時点):こちら

 

※厚生労働省作成リーフレット「事業主の皆さまへ 育児・介護休業法 改正ポイントのご案内」(令和3年11月末時点版):こちら

 

(2021年12月24日)

 

一覧へ戻る