季刊労働法283号(2023/冬季)2023年12月15日発売

特集:ストのない日本と世界のスト

 物価高等を背景に、各国でストが頻発する一方、日本におけるストは発生そのものが珍しいものとして注目されがちです。政府や使用者側が賃上げの旗を振っているようにも見え、労使関係においてストの影が薄くなっています。諸外国のストの現状を概観し、その意義を再考します。
 ●第2特集では、教員の労働問題を取り上げます。23年3月に出た最高裁判決と給特法の問題だけにとどまらず、なり手不足、質の確保といった教員の労働市場問題、教員の仕事、その裁量性・専門性をどう捉えるか、などといった点からの論稿も掲載します。

価格 2,970円(本体2,700+税) 数量

特集 ストのない日本と世界のスト

日本におけるストライキの停滞状況に関する法的分析

―団交権中心論の歴史的意義と限界

大分大学准教授 小山 敬晴

ドイツにおけるストライキの現在

名古屋経済大学教授 榊原 嘉明

フランスにおけるストライキ権の個人的特質

―民間一般労働者と公役務就業者との対比を中心に

弘前大学助教 渋田 美羽

イギリスにおけるストライキの現状と法的課題

―争議権保障と2023年ストライキ(最低サービス水準)法をめぐって

東京大学教授 神吉 知郁子

ストライキに対するアメリカ労働法上の保護の動揺?

:Glacier Northwest 事件判決を素材として

法政大学准教授 藤木 貴史

【第2特集】教員の労働環境改善のために

公立学校教員の時間外勤務をめぐる新争点

―埼玉教員超勤訴訟上告棄却決定を受けて―

大阪大学准教授 髙橋 哲

教員が苦慮し、教員志望者が不安視する「保護者対応トラブル」の現状

大阪大学名誉教授 小野田 正利

新たな段階に入った教員未配置問題

公教育の構造的危機

ゆとりある教育を求め全国の教育条件を調べる会 山﨑 洋介

所定勤務時間における「授業準備」の位置付けにみる教師の専門性と裁量性

埼玉大学教授 北田 佳子

【集中連載】AI・アルゴリズムの導入・展開と労働法

フランスにおけるAI・アルゴリズムへの労働法規制の一考察

―集団的アプローチの意義と課題

大分大学准教授 小山 敬晴

■論説■

固定残業代の割増賃金該当性

―熊本総合運輸事件最高裁判決(最二小判令5・3・10労判1284号5頁)を踏まえて

専修大学教授 石田 信平

労災保険のメリット制適用事業主の手続保障と受給被災者保護の問題と提言

弁護士 安西 愈

弁護士 柊木野 一紀

「特定技能2号」の対象分野拡大の意義と課題

弁護士 山脇 康嗣

■要件事実で読む労働判例―主張立証のポイント 第6回■

整理解雇に関する要件事実

―日本航空運航乗務員解雇事件・東京高判平成26・6・5労経速2223号3頁を素材に

弁護士 中山 達夫

■アジアの労働法と労働問題 第54回■

インドネシアにおける企業別組合の実情

―増大する警察権力と迷走する組合―

弁護士・法学博士 イク・ファリーダ

法学博士 鬼 正一

■労働法の立法学 第68回■

健康診断の労働法政策

労働政策研究・研修機構労働政策研究所長 濱口 桂一郎

■判例研究■

デジタルプラットフォーム就労者(ウーバーイーツ配達パートナー)の労組法上の労働者性

Uber Japan ほか1社事件(東京都労委令和4年10月4日命令)

北海道大学法学研究科博士後期課程 松田 朋彦

■重要労働判例解説■

パワーハラスメントを理由とした消防職員の分限免職処分

長門市・市消防長事件(最三小判令和4年9月13日労判1277号5頁)

全国市長会 戸谷 雅治

■追悼■

道幸哲也先生を偲んで

北星学園大学教授 加藤 智章

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