労働判例ジャーナル119号(2022年・2月)

■注目判例

使用者の言動と国籍差別

フジ住宅事件

■ポイント

 本件は,住宅関連事業を営む会社(従業員数約1000人,以下,「本件会社」という。)に雇用された韓国国籍の従業員(以下,「本件従業員」という。)が本件会社及びその代表取締役会長から,①中国,韓国,北朝鮮(以下,これら3か国を併せて「中韓北朝鮮」という。)の国籍を有する者等を誹謗中傷する旨の人種差別や民族差別を内容とする政治的見解が記載された資料が職場で大量に配布されてその閲読を余儀なくされ(以下,「本件配布Ⅰ」という。),②都道府県の教育委員会が開催する教科書展示会へ参加した上で本件会社らが支持する教科書の採択を求める旨のアンケートを提出することを余儀なくされたほか(以下,「本件勧奨」という。),これらの行為が違法であるとして本件訴訟を提起したところ,その提起を誹謗中傷する旨の従業員の感想文等が職場で配布されたこと(以下,「本件配布Ⅱ」という。)により報復的非難を受け,これらにより本件従業員の人格権または人格的利益が侵害された旨主張して,本件会社代表取締役会長に対しては不法行為に基づいて,本件会社に対しては会社法350条,労働契約の債務不履行または不法行為に基づいて,いずれも損害賠償請求として,連帯して3300万円などの支払いを求め,かつ高裁の段階で本件配布Ⅰ・Ⅱのような行為に差止請求を追加した事案である。1審判決(大阪地判令2・7・2)は,本件従業員に本件会社らが連帯して110万の損害賠償などを支払うことを命じていたが,双方が控訴した。

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目次

◆ 使用者の言動と国籍差別

フジ住宅事件

大阪高裁(令和3年11月18日)判決

◆ 内部通報の報復的行為に対する損害賠償等請求

損害賠償等請求事件

福岡地裁(令和3年10月22日)判決

◆ 意思能力の欠如と依願免職処分取消等請求

長崎市・長崎市選挙管理委員会事件

福岡高裁(令和3年10月14日)判決

◆ 飲酒運転による物損事故と懲戒免職処分等取消請求

大津市事件

大阪地裁(令和3年10月14日)判決

◆ 適応障害発症に基づく休業補償給付不支給処分取消等請求

国・亀戸労基署長事件

東京地裁(令和3年9月30日)判決

◆ パワハラを理由とする懲戒免職処分取消請求

長門市・長門市消防長事件

広島高裁(令和3年9月30日)判決

◆ 名誉毀損・セクハラ行為等に基づく慰謝料等請求

ライフコーポレーション事件

東京地裁(令和3年9月29日)判決

◆ 期間のある労働契約と退職合意無効地位確認等請求

タイムズサービス事件

大阪地裁(令和3年9月28日)判決

◆ 年休権侵害に基づく損害賠償等請求

東海旅客鉄道事件

大阪地裁(令和3年9月22日)判決

◆ 未払賃金及び未払退職金等支払請求

ロシア旅行社事件

東京地裁(令和3年9月21日)判決

◆ 雇止め無効地位確認等請求

新潟運輸事件

東京地裁(令和3年9月17日)判決

◆ 休職期間満了退職扱い無効地位確認等請求

オフィス事務所事件

大阪地裁(令和3年9月17日)判決

◆ 業務停止処分による履行不能に基づく未払賃金等支払請求

弁護士法人アディーレ法律事務所事件

東京地裁(令和3年9月16日)判決

◆ 法令違反行為の通報等を理由とする懲戒解雇の有効性

神社本庁事件

東京高裁(令和3年9月16日)判決

◆ 自宅待機中の労働時間性と割増賃金等支払請求

エム・テックス事件

東京地裁(令和3年9月10日)判決

◆ アイドルの労働基準法上の労働者性

Hプロジェクト事件

東京地裁(令和3年9月7日)判決

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