労働判例ジャーナル111号(2021年・6月)

■注目判例

留学費用返還請求の適法性

みずほ証券事件

■ポイント

 本件は,ユニオン・ショップ制に基づく雇止めが適法とされた珍しい判決である。これまでは,ユニオン・ショップ制度の適用対象が正社員とするのが一般であったために,ユニオンショップ制に基づく解雇が争われてきたが,本件の会社(トヨタ自動車)では,契約期間が2年以上の期間従業員(シニア期間従業員と呼ばれる。)をユニオン・ショップ制度の対象としていたために,ユニオン・ショップ制に基づく雇止めという事案が発生したものである。
 正社員で構成されてきた労働組合がその組織対象を非正社員に拡大することは望ましいことは言うまでもないが,極めて限定的な期間しか組合員でありえない本件のような非正社員にユニオン・ショップによって労働組合の加入を強制するのが妥当かは議論のあるところである。

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目次

◆ 留学費用返還請求の適法性

みずほ証券事件

東京地裁(令和3年2月10日)判決

◆ 自殺した亡労働者のうつ病発症の業務起因性

国・福岡中央労基署長事件

福岡地裁(令和3年3月12日)判決

◆ 統合失調症の意思能力と依願免職処分取消等請求

長崎市・長崎市選挙管理委員会事件

長崎地裁(令和3年3月9日)判決

◆ 突然の昇降機上昇による事故に対する安全配慮義務違反

日本郵便事件

名古屋地裁(令和3年2月26日)判決

◆ 業務上の疾病を理由とする退職扱い無効地位確認等請求

社会福祉法人幸福会事件

大阪地裁(令和3年2月25日)判決

◆ 派遣労働者通勤手当不支給の(旧)労働契約法20条該当性

リクルートスタッフィング事件

大阪地裁(令和3年2月25日)判決

◆ 暴行・隠ぺい工作等を理由とする懲戒(停職)処分の有効性

氷見市・氷見市消防長事件

名古屋高裁金沢支部(令和3年2月24日)判決

◆ 5回の分限休職処分と休職処分無効確認等支払請求

和光市事件

さいたま地裁(令和3年2月19日)判決

◆ 上司への暴行等を理由とする懲戒解雇等の有効性

シナジー・コンサルティング事件

東京地裁(令和3年2月15日)判決

◆ 元従業員の管理監督者該当性

三井住友トラスト・アセットマネジメント事件

東京地裁(令和3年2月17日)判決

◆ 配転命令無効に基づく解雇無効地位保全等仮処分申立

インテリジェントヘルスケア事件

大阪地裁(令和3年2月12日)判決

◆ 自殺した亡教員の北海道に対する損害賠償等請求

北海道事件

仙台高裁(令和3年2月10日)判決

◆ 就業規則不利益変更の有効性

学校法人梅光学院事件

山口地裁下関支部(令和3年2月2日)判決

◆ 法務教官の国に対する配転処分取消等請求

国・東京矯正管区長事件

東京地裁(令和3年1月5日)判決

◆ 地域手当等の有期雇用に対する不合理な待遇の相違該当性

独立行政法人日本スポーツ振興センター事件

東京地裁(令和3年1月21日)判決

◆ 上司に対する誹謗中傷等を理由とする解雇の有効性

IHI事件

東京地裁(令和3年1月15日)判決

◆ カフェ部門従業員の管理監督者該当性

andeat事件

東京地裁(令和3年1月13日)判決

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