労働判例ジャーナル101号(2020年・8月)

■注目判例

人員整理目的の有期労働契約の雇止め

グリーントラストうつのみや事件

■ポイント

 本件は,自然環境保護を目的とする「公益財団法人グリーントラストうつのみや」(以下,「本件財団」という。)に有期労働契約の反復更新により継続的に勤務していた非常勤嘱託員(以下,「本件非常勤」という。)が,無期転換申込権の発生を前にして雇止めされたことについて,これを違法として,地位確認などを請求した事件である。労契法の無期転換申込権については,使用者がその発生を回避するために,雇止めを行うことが懸念されていたが,本件は,まさにそれが現実化したものと言える。
 労契法の適用がない公務員における非常勤職員の地位は,民間の有期雇用労働者よりも脆弱である。それ自体が問題であるが,宇都宮市は,本件非常勤職員の地位も公務員の非常勤職員の地位と同様に扱えるとの安易な意識があったのではないかとの疑問が払拭できない事案と言えよう。

年会費:26,400円(24,000円+税) ※送料無料。労働判例ジャーナルは労働法EX+をご契約の方に毎月発行される月刊誌です

目次

◆ 人員整理目的の有期労働契約の雇止め

グリーントラストうつのみや事件

宇都宮地裁(令和2年6月20日)判決

◆ 時間外勤務手当詐取による懲戒免職等処分取消請求

新潟市事件

新潟地裁(令和2年4月15日)判決

◆ パワハラ・セクハラ行為等を理由とする損害賠償等請求

国・法務大臣事件

徳島地裁(令和2年4月15日)判決

◆ 教諭らに対する整理解雇の有効性

学校法人明浄学院事件

東京地裁(令和2年3月26日)判決

◆ 長時間労働と労働時間該当性

いわきオール事件

福島地裁いわき支部(令和2年3月26日)判決

◆ 団体交渉を求める地位確認請求

社会福祉法人敬人会(連合熊本ユニオンほか)事件

熊本地裁(令和2年3月18日)判決

◆ 労契法18条1項適用直前の雇止め無効地位確認請求

高知県公立大学法人事件

高知地裁(令和2年3月17日)判決

◆ 面接時の説明と未払賃金等支払請求

社会福祉法人稲荷学園事件

大阪地裁(令和2年3月13日)判決

◆ 上司のセクハラによるうつ病発症の業務起因性

国・札幌東労基署長事件

東京地裁(令和2年3月13日)判決

◆ 長時間労働によるうつ病発症に基づく損害賠償等請求

豊和事件

大阪地裁(令和2年3月4日)判決

◆ 勉強会の労働基準法上の労働時間性

前原鎔断事件

大阪地裁(令和2年3月3日)判決

◆ 降格による賃金減額及び暴行を理由とする解雇の有効性

ビジネクスト事件

東京地裁(令和2年2月26日)判決

◆ 行方不明を理由とする退職無効地位確認等請求

O・S・I事件

東京地裁(令和2年2月4日)判決

一覧に戻る

年会費:26,400円(24,000円+税) ※送料無料。労働判例ジャーナルは労働法EX+をご契約の方に毎月発行される月刊誌です