労働判例ジャーナル91号(2019年・10月)

■注目判例

有期雇用労働者と無期雇用労働者の労働条件の相違に関する不合理性

井関松山製造所事件

■ポイント

 本件は,有期雇用労働者と無期雇用労働者との労働条件の相違について,賞与については,不合理性を否定し,家族手当,住宅手当および精勤手当に関しては不合理性を認め,不法行為に基づく損害賠償を認めた原審判決(松山地判・平30・4・24)の控訴審である。なお,関係会社において本件と同様の事案があり,同日に判決が出ている(井関松山ファクトリー事件・松山地判平30・4・24,高松高判令元・7・8)。
 本判決は,結論において,当事者双方の控訴を棄却しているが,労契法20条に関する判断枠組みについては,最判に基づいて原審判決を書き換えている。
 その他,有期雇用労働者が無期転換しても,労働条件の相違に変化がないことから,会社の損害賠償支払い義務が継続するとしたことも興味深いところである。

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目次

◆ 有期雇用労働者と無期雇用労働者の労働条件の相違に関する不合理性

井関松山製造所事件

高松高裁(令和元年7月8日)判決

◆ 降格処分無効と未払賃金等支払請求

学校法人弘徳学園事件

神戸地裁豊岡支部(令和元年7月12日)判決

◆ 職場環境配慮義務違反等に基づく損害賠償等請求

国立大学法人徳島大学事件

徳島地裁(令和元年7月3日)判決

◆ 消防職員のパワーハラスメントに基づく損害賠償等請求

行田市事件

さいたま地裁(令和元年6月28日)判決

◆ 訓練中溺死した亡警察機動隊職員の損害賠償等請求

埼玉県事件

さいたま地裁(令和元年6月26日)判決

◆ 原発事故における被ばくを理由とする損害賠償等請求

東京電力ホールディングス(旧東京電力)ほか2社事件

福島地裁いわき支部(令和元年6月26日)判決

◆ くも膜下出血発症後死亡の業務起因性

国・熊本労基署長事件

熊本地裁(令和元年6月26日)判決

◆ 元大学教授の懲戒処分無効確認および損害賠償等請求

国立大学法人島根大学事件

松江地裁(令和元年6月17日)判決

◆ 降格前の賃金を受けることのできる地位確認等請求

学校法人追手門学院事件

大阪地裁(令和元年6月12日)判決

◆ うつ病の業務起因性と解雇の有効性

トヨタカローラ南海事件

大阪地裁(令和元年6月4日)判決

◆降格の相当性と差額賃金等支払請求

大阪トヨタ商事事件

大阪地裁(令和元年5月30日)判決

◆ 当直時間帯の労働時間性と管理監督者該当性

KSP・WEST事件

大阪地裁(令和元年5月30日)判決

◆ 組合の元組合員に対する徴収金支払請求

全日本建設交運一般労働組合兵庫合同支部事件

大阪地裁(令和元年5月29日)判決

◆  出張中死亡した労働者の疾病発症の業務起因性

国・淀川労基署長事件

大阪地裁(令和元年5月29日)判決

◆死亡した医師の未払賃金等支払・損害賠償等請求

地方独立行政法人長崎市立病院機構事件

長崎地裁(令和元年5月27日)判決

◆ 元教諭の停職処分・指導改善研修命令等の違法性

大阪府事件

大阪地裁(令和元年5月27日)判決

◆ 休職期間満了後の分限免職処分取消請求

大阪市事件

大阪地裁(令和元年5月22日)判決

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