労働判例ジャーナル76号(2018年・7月)

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■注目判例

出向者に対する復帰命令の適法性

相鉄ホールディングス事件
横浜地裁(平成30年4月19日)判決

■ポイント

 本判決は,出向者に対する復帰命令が人事権濫用にあたるかということが争われた珍しい事案である。出向者に対する復帰命令については,判例はこれを使用者の権限として承認している(古河電気工業・原子力燃料工業事件・最2小判昭60・4・5)。本件では,使用者に復帰命令権があることを前提に,それが人事権の濫用にあたるかが問われた。
 本判決は,バス事業会社の収益を上回っていた持株会社からの出向補填費を削減することは,バス事業の収支改善のため必要であり,出向運転手とプロパー運転手との大きな年収格差が労務管理上適切でなく,復職命令によってその後追い出し部屋的処遇をしたとはいえないことなどから人員配置,労働力活用,生産性の観点から,業務上の必要性を肯定し,本件復職命令を不合理・不適切であるとは認められないと結論付けた。

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目次

◆ 出向者に対する復帰命令の適法性

相鉄ホールディングス事件

横浜地裁(平成30年4月19日)判決

◆ 労契法20条違反に基づく差額賃金等支払請求

井関松山製造所事件

松山地裁(平成30年4月24日)判決

◆ 労契法20条違反に基づく差額賃金等支払請求

井関松山ファクトリー事件

松山地裁(平成30年4月24日)判決

◆  発達障害を理由とする職業訓練受講者選考差別と損害賠償等請求

高知県事件

高知地裁(平成30年4月10日)判決

◆ 女児に対するセクハラに基づく懲戒処分無効等請求

セリオ事件

大阪地裁(平成30年3月29日)判決

◆ 医師の解雇無効地位確認等請求と医療法人の車輌返還等請求

医療法人桜希会事件

大阪地裁(平成30年3月29日)判決

◆ パワハラに基づく損害賠償等請求

ビーピー・カストロール事件

大阪地裁(平成30年3月29日)判決

◆ 業務遂行能力不足に基づく解雇無効地位確認等請求

三井倉庫ロジスティクス事件

大阪地裁(平成30年3月29日)判決

◆ 元従業員に対する不正行為に基づく損害賠償等請求

オンテックス事件

大阪地裁(平成30年3月29日)判決

◆ 准教授の授業をする地位確認等請求及び慰謝料等請求

学校法人原田学園事件

広島高裁岡山支部(平成30年3月29日)判決

◆ 僧侶の境内の慰労会における飲酒中の負傷についての業務起因性

国・大野労基署長(誓念寺)事件

福井地裁(平成30年3月28日)判決

◆ 休業命令及び解雇無効確認等請求

ワコール事件

大阪地裁(平成30年3月28日)判決

◆ 君が代反対ビラ配布等に基づく減給処分取消請求

豊中市・市教委事件

大阪地裁(平成30年3月26日)判決

◆ 非違行為に基づく減額賃金等支払請求

東海旅客鉄道事件

大阪地裁(平成30年3月23日)判決

◆ 未払賃金(年休及び特別休暇分)等支払請求

土電ハイヤー事件

高知地裁(平成30年3月16日)判決

◆ 定年退職とされた元教授らの特任教員たる地位確認等請求

学校法人京都外国語大学事件

大阪地裁(平成30年3月14日)判決

◆ 園長の越権専断的行為に基づく懲戒解雇無効確認等請求

学校法人名古屋カトリック学園事件

名古屋地裁岡崎支部(平成30年3月13日)判決

◆ 職場のセクハラによる適応障害発症の業務起因性

国・小田原労基署長(日本郵政公社)事件

横浜地裁(平成30年3月8日)判決

◆ 人事権の濫用等に基づく損害賠償等請求

三洋電機事件

大阪地裁(平成30年3月7日)判決

◆ 異動命令拒否に基づく懲戒解雇無効等請求

国立研究開発法人事件

大阪地裁(平成30年3月7日)判決

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