労働判例ジャーナル74号(2018年・5月)

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■注目判例

正社員と契約社員の労働条件格差と労契法20条

日本郵政大阪事件
大阪地裁(平成30年2月21日)判決

■ポイント

 本件は,日本郵便の時給制契約社員(以下,「期間雇用社員」)が正社員と郵便物の配送業務など同一内容の業務に従事していながら,手当等の労働条件において正社員と差異があることが労働契約法(以下「労契法」という。)20条に違反するとして,正社員の給与規程及び就業規則の各規定が時給制契約社員にも適用される労働契約上の地位にあることの確認を求めるとともに,この差異が同条の施行前においても公序良俗に反すると主張して,同条の施行前については,不法行為による損害賠償請求権に基づき,同条の施行後については,主位的に同条の補充的効力を前提とする労働契約に基づき,予備的に不法行為による損害賠償請求権に基づき,正社員の諸手当との差額及び遅延損害金の支払を求めた事案である。
 注目されるのは,期間雇用社員と正社員との労働条件の差異が不合理性の判断にあたっての労契法20条の「その他の事情」の解釈であろう。本判決においては,日本郵便において,期間雇用社員から正社員に登用する制度があること,および日本郵便の事業が極めて長期間に亘り継続しており,その間,労使間において労働条件に関する協議等が行われ,その中で本件各労働条件についても決定等されたという事情も考慮すべきであるとしているからである。

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目次

◆ 正社員と契約社員の労働条件格差と労契法20条

日本郵政大阪事件

大阪地裁(平成30年2月21日)判決

◆ 社労士の業務停止処分取消等請求

国・厚生労働大臣事件

名古屋地裁(平成30年2月22日)判決

◆  研修中の歩行訓練による負傷に基づく損害賠償等請求

サニックス事件

広島地裁(平成30年2月22日)判決

◆ 試用期間満了による解雇無効確認等請求

日社会福祉法人佳徳会事件

熊本地裁(平成30年2月20日)判決

◆ 元権宮司の解雇無効地位確認等請求

宇佐神宮・神社本庁事件

大分地裁(平成30年2月13日)判決

◆ 経営に関する権限を相当程度有した労働者の管理監督者性

エルライン事件

大阪地裁(平成30年2月2日)判決

◆ 能力不足等を理由とする解雇無効地位確認請求

解雇無効地位確認等請求事件

東京地裁(平成30年2月2日)判決

◆ 有期雇用労働者の労働条件の相違に関する合理性の有無

九水運輸商事事件

福岡地裁小倉支部(平成30年2月1日)判決

◆ 派遣労働者の派遣先に対する地位確認等請求

社会福祉法人恩賜財団済生会事件

大阪地裁(平成30年1月31日)判決

◆ 休職期間満了後の退職扱い無効地位確認等請求

名港陸運事件

名古屋地裁(平成30年1月31日)判決

◆ 職能手当及び時間外割増賃金等支払請求

ミツモリ事件

大阪地裁(平成30年1月30日)判決

◆ 校長のパワハラに基づく退職に対する損害賠償等請求

那覇市事件

那覇地裁(平成30年1月30日)判決

◆  うつ病発症による休職満了後の退職扱い無効地位確認等請求

Aクリニック事件

岐阜地裁(平成30年1月26日)判決

◆ 有期雇用職員の労働条件の相違に関する合理性の有無

学校法人大阪医科薬科大学事件

大阪地裁(平成30年1月24日)判決

◆ 労働条件通知書等とは異なる合意に基づく未払賃金等支払請求

東洋センタリング事件

大阪地裁(平成30年1月18日)判決

◆ 精神障害発病の自殺にかかる業務起因性

国・堺労基署長事件

大阪地裁(平成30年1月17日)判決

◆ 休職期間満了後の退職取扱無効地位確認等請求

幻冬舎コミックス事件

東京地裁(平成29年11月30日)判決

◆ 休日待機時間の労働基準法上の労働時間該当性

独立行政法人都市再生機構事件

東京地裁(平成29年11月10日)判決

◆ うつ病エピソード発症後の自殺の業務起因性

国・岩国労基署長事件

広島高裁(平成29年10月11日)判決

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