労働判例ジャーナル176号(2026年・11月)

■注目判例
飲酒運転を理由とする懲戒解雇
日本郵便(懲戒解雇・酒気帯び運転)事件
■ポイント
本件は,郵便事業を行う株式会社である日本郵便(本件会社)に勤務し,郵便配達業務に従事する社員(本件社員)が,酒気帯び運転(前日の飲酒による。)の状態で人身事故(加療1週間の右手首捻挫)を起こしたこと(本件事故)を理由として懲戒解雇された(本件懲戒解雇)ことを不服として,主位的請求として,懲戒解雇が無効であり,地位確認,未払賃金などを請求した事案である。
本判決は,本件会社の懲戒標準によれば,故意による飲酒運転で交通事故を起こした者は懲戒解雇とすると定められていることから,本件社員の飲酒運転に故意が認められるかを検討して,結果的に本件社員の故意を否定して,懲戒解雇を無効と判断した。本件社員に故意がなかったと判断されたポイントは,前日の飲酒の影響(残り酒)についての本件社員の認識にあったが,本判決は,従前の飲酒習慣からしてアルコールが身体に残存していることを容易に予見し得たものとはいい難いとの判断を示し,交通事故の本件社員の対応などもそのことを推認させるとした。
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目次
◆ 飲酒運転を理由とする懲戒解雇
日本郵便(懲戒解雇・酒気帯び運転)事件
福岡地裁(令和8年9月3日)判決
◆ 妊娠を理由として退職を強要された実習生の損害賠償等請求が一部認められた例
社会福祉法人みのり会ほか1法人事件
福岡地裁小倉支部(令和8年8月4日)判決
◆ 解雇,配置転換無効地位確認請求が認められ,損害賠償等請求が一部認められた例
社会福祉法人三篠会事件
大阪地裁堺支部(令和8年7月30日)判決
◆ 急性虚血性心疾患発症につき,損害賠償等請求が一部認められた例
東京デリバリーセンター事件
さいたま地裁(令和8年7月15日)判決
◆ パワハラを理由とする懲戒処分等に基づく損害賠償等請求が一部認められた例
社会福祉法人富士宮市社会福祉協議会事件
静岡地裁(令和8年6月25日)判決
◆ 降格が一部無効であるとして,差額賃金等支払請求が一部認められた例
コスモ事件
大阪地裁(令和8年6月19日)判決
◆ 特別契約教授としての地位確認等請求が斥けられた例
学校法人関西大学事件
大阪地裁(令和8年6月18日)判決
◆ パワハラ等を理由とする懲戒免職処分等取消請求が斥けられた例
八尾市事件
大阪地裁(令和8年6月1日)判決
◆ 障害等級の認定に誤りはないとして,障害給付支給処分取消請求が斥けられた例
国・品川労基署長事件
東京地裁(令和8年4月16日)判決
◆ 使用者性を否定した再審査申立棄却命令取消請求が斥けられた例
国・中労委事件
東京地裁(令和8年4月15日)判決
◆ 既婚者の上司との不貞行為を理由とする懲戒(戒告)処分取消請求が斥けられた例
国・陸上幕僚長事件
東京地裁(令和8年4月13日)判決
◆ 降級無効地位確認請求及び賃金減額無効差額賃金等支払請求が斥けられた例
アステラス製薬事件
東京地裁(令和8年4月10日)判決
◆ ハラスメント幇助を理由とする懲戒(譴責)処分取消請求が認められた例
アクサ損害保険事件
東京地裁(令和8年4月8日)判決
◆ 団交拒否に基づく不当労働行為救済命令取消請求が斥けられた例
国・中労委(中央コンクリート)事件
東京地裁(令和8年3月11日)判決
◆ 勤務態度等不良を理由とする試用期間中の解雇無効地位確認等請求が斥けられた例
東京調剤センター事件
東京地裁(令和8年3月6日)判決
◆ 解雇無効地位確認請求が認められた例
アダプトゲン製薬事件
東京地裁(令和8年3月5日)判決
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