労働判例ジャーナル124号(2022年・7月)

■注目判例

労働者派遣法の労働契約申込みみなし

ベルコ(労働契約申込みみなし)事件

■ポイント

 本件のベルコという葬祭事業などを展開する会社は,その具体的な業務を別法人の代理店に業務委託し,代理店が雇用する従業員が実際の業務を担うというビジネスモデルをとっている。本件は,代理店の従業員らがベルコと労働契約が成立しているとして,未払いの割増賃金を請求した事案である。
 これらの従業員らは,ベルコとの労働契約の成立について,代理店がベルコの商業使用代理人に過ぎないので,従業員らを採用したのはベルコである,または,ベルコと従業員らの間で黙示の労働契約が成立しているなどと主張したが,本判決は,これらの主張については,いずれも認めなかった。また,労働契約申込みみなしに関する労働者派遣法41条の6第1項ただし書には,「労働者派遣の役務の提供を受ける者が,その行った行為が」違反行為に「該当することを知らず。かつ,知らなかったことにつき過失がなかったとき」には,労働契約申込みみなしの適用を受けないとされているが,本判決では,この点での判示は示されていない。これもまた,今後の検討課題であろう。

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目次

◆ 労働者派遣法の労働契約申込みみなし

ベルコ(労働契約申込みみなし)事件

札幌地裁(令和4年2月25日)判決

◆ アスベストばく露に基づく国及び企業に対する損害賠償等請求

首都圏建設アスベスト損害賠償神奈川訴訟(第2陣)事件

最高裁第二小法廷(令和4年2月9日)決定

◆ 脳出血発症の業務起因性

国・天満労基署長事件

大阪地裁(令和4年1月31日)判決

◆ 大学専任教員の雇止め無効地位確認等請求

学校法人羽衣学園事件

大阪地裁(令和4年1月31日)判決

◆ 能力不足による解雇と能力改善の兆し

デンタルシステムズ事件

大阪地裁(令和4年1月28日)判決

◆ 旅費交通費の取り扱いと割増賃金の算定基礎

オークラ事件

大阪地裁(令和4年1月18日)判決

◆ 雇用契約成立に基づく未払賃金等支払請求

医療法人社団純心会事件

大阪地裁(令和4年1月17日)判決

◆ 派遣労働者の期間途中での解雇の有効性

新時代産業事件

大阪地裁(令和4年1月13日)判決

◆ 民法536条2項に基づく未払賃金・休業手当等支払請求

バイボックス・ジャパン事件

東京地裁(令和3年12月23日)判決

◆ 同一内容の訴えによる療養補償給付等不支給処分取消請求

国・新宿労基署長事件

東京地裁(令和3年12月23日)判決

◆ 降格と減給等処分無効地位確認等請求

SRA事件

東京地裁(令和3年12月23日)判決

◆ 労働契約上の債務不存在確認請求

TO事件

東京地裁(令和3年12月22日)判決

◆ 英語学校講師の生徒及び会社に対する損害賠償等請求

ベルリッツ・ジャパン事件

東京地裁(令和3年12月22日)判決

◆ 整理解雇の有効性

アンドモワ事件

東京地裁(令和3年12月21日)判決

◆ 休職未払賃金等の支払請求

RKコンサルティング事件

東京地裁(令和3年12月15日)判決

◆無断欠勤等を理由とする解雇無効地位確認等請求

春江事件

東京地裁(令和3年12月13日)判決

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