労働判例ジャーナル167号(2026年・2月)

■注目判例
解雇無効と就労意思の喪失
双龍産業事件
■ポイント
本件は,産業用,工業用の特殊ゴム製品を主に海外の生産メーカーに発注し,これを国内及び海外の需要家に納品する業務などを行う会社(本件
会社)に雇用されていた従業員(本件従業員)が,本件会社によって令和3年8月31日付けでなされた普通解雇(以下「本件解雇」という。)を無
効であると主張し,従業員としての地位確認及び未払い賃金の支払いなどを,また,本件会社の本件従業員に対する違法な退職勧奨,休業命令の発
令,団体交渉中の解雇通知書の送付等が不法行為であると主張し,損害賠償などを請求した事案である。
本件従業員に対する解雇は,無効とされたが,本件従業員が本件解雇を不当労働行為としてした救済申立ての取り下げ後は,本件会社への就労意
思を喪失したとして,解雇期間中の賃金請求は認められたが,従業員としての地位確認が棄却されたところに本判決の特徴がある。
従業員の解雇をめぐる諸問題を検討する上で参考となる裁判例と言えよう。
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目次
◆ 解雇無効と就労意思の喪失
双龍産業事件
東京地裁(令和7年9月11日)判決
◆ 不正行為に基づく会社の損害賠償等請求が一部認められた例
ニード精研事件
大阪地裁(令和7年10月24日)判決
◆ 無期転換(労働契約法18条1項)に基づく地位確認請求が認められた例
一般社団法人千葉県歯科医師会事件
千葉地裁(令和7年10月16日)判決
◆ 自主降任の勧奨等に違法性は認められないとして,損害賠償等請求が斥けられた例
静岡県事件
静岡地裁(令和7年10月10日)判決
◆ 団交拒否に当たらないとした中労委命令取消請求を認容した原判決が維持された例
国・中労委事件
東京高裁(令和7年10月8日)判決
◆ 未払賃金等支払請求を認容したが,損害賠償等請求を棄却した原判決が維持された例
ジェイエムエス事件
東京高裁(令和7年10月8日)判決
◆ 原判決を変更し,セクハラ行為に基づく損害賠償等請求が一部認められた例
ヤマト運輸事件
名古屋高裁(令和7年9月10日)判決
◆ 未払賃金等支払請求が認められ,パワハラに基づく損害賠償等請求が一部認められた例
エアクラフトセールズ&リース事件
東京地裁(令和7年8月28日)判決
◆ 出勤停止処分は無効であるとして,未払賃金等支払請求が一部認められた例
PKUTECH事件
東京地裁(令和7年8月26日)判決
◆ 元教諭の無期労働契約成立に基づく地位確認等請求が斥けられた例
学校法人実践女子学園事件
東京地裁(令和7年8月22日)判決
◆ 乗務停止指示に基づく解雇無効地位確認請求及び損害賠償等請求が斥けられた例
東京無線協同組合・栄交通事件
東京地裁(令和7年8月14日)判決
◆ 誠実義務違反及び競業避止義務違反に基づく損害賠償等請求が斥けられた例
富士通商事件
東京地裁(令和7年8月8日)判決
◆ 人員削減の必要性・勤務成績不良等を理由とする解雇無効確認請求が認められた例
マースジャパンリミテッド事件
東京地裁(令和7年8月1日)判決
◆ 差別的取扱い等を理由とする不法行為に基づく損害賠償等請求が斥けられた例
東京福祉バス事件
東京地裁(令和7年7月30日)判決
◆ 理美容師らの未払割増賃金等支払請求が一部認められた例
キュービーネット事件
東京地裁(令和7年7月17日)判決
◆ 未払割増賃金等支払請求が一部認められた例
三和エンジニアリング事件
東京地裁(令和7年7月3日)判決
◆ 不適切な言動等を理由とする解雇無効地位確認等請求が斥けられた例
学校法人帝京蒼柴学園事件
新潟地裁(令和7年6月26日)判決
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