季刊労働法209号(2005/夏季)

特集:過重労働と健康情報の管理

過重な労働により脳・心臓疾患を発症し平成15年度に労災認定された件数が310件で、そのうち過労死の認定は157件もありました。これは労働災害死亡件数の約1割に相当します。また、業務による心理的負荷を原因として精神障害を発病し、あるいは自殺にいたる事案で15年度に労災認定された件数は100を超えています。さらに、労災認定だけではなく企業の健康配慮義務違反を理由とする損害賠償請求事件も急増しております。過労死・過労自殺をめぐる法律問題における重要な論点はどこにあるのか、労働者の健康情報をどう取り扱ったらよいのか、労災保険システムと他の社会保険制度との理論的整合性をどういう視点で捉えればよいのか、などを議論する際には、本号の特集を是非参考にしていただきたいと思います。

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目次

特集:過重労働と健康情報の管理

■健康情報の処理過程をめぐる法律問題

放送大学教授 中嶋 士元也

■労働者の健康情報の管理について

天使大学教授 保原 喜志夫

■労働者の健康情報とプライバシー

立教大学講師 砂押 以久子

■過労死・過労自殺救済の労災補償法理

―過労死・過労自殺労災認定の現状と今後の課題―

弁護士 岡村 親宜

■過労死・過労自殺をめぐる近年の判例動向

―企業のリスクマネジメントの観点からみた民事の損害賠償問題を中心に―

ロア・ユナイテッド法律事務所 代表パートナー弁護士 岩出 誠

■労働者の健康情報の取り扱い―産業医の視点―

産業医科大学産業生態科学研究所産業保健管理学教室 堀江 正知

■労災保険制度が直面する課題と将来像

神戸市外国語大学教授 品田 充儀

■変容する職場集団と日本的心性のなかでの過重労働

三重短期大学・大阪経済法科大学講師 大野 正知

■就労者の精神的な健康障害に起因する7つの視点と支援

シニア産業カウンセラー キャリア・コンサルタント 佐藤 敏子

 

【研究論文】

労働者概念の再構成

関西大学法科大学院教授 川口 美貴

公務員法上の措置要求制度に関する一考察

筑波大学大学院博士課程 村松 洋介

 

【連載】

知的財産法と労働法(第5回)職務著作(2)

法政大学教授 永野 秀雄

労働法の立法学(第6回)労働者派遣と請負の間―建設業務と製造業務―

東京大学大学院法学政治学研究科附属比較法政国際センター客員教授 濱口 桂一郎

【北海道大学労働判例研究会】

日本レストランシステム事件

弁護士 開本 英幸

【筑波大学労働判例研究会】

抑制作業従事中に患者に噛まれてC型肝炎等に罹患した看護助手に対する安全配慮義務

筑波大学大学院博士課程 尾澤 恵

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