季刊労働法214号(2006/秋季)

特集:労働時間法のゆくえ

近年、ホワイトカラーの労働時間、多様な働き方、ライフ・ワーク・バランス、長時間労働などをめぐって、現行の労働時間制度の見直しが検討されてきました。こうした問題に対し、厚生労働省の「今後の労働時間法制に関する研究会」は今年1月に最終報告書をまとめました。報告書は「新しい自律的な労働時間制度」などの新設を提言し、行政は来年の通常国会での成立を目指すとしています。一方で、日本労働弁護団が「新しい自律的な労働時間制度」に対する批判を行うなど、白熱した議論が始まっています。今号では「労働時間法のゆくえ」と題し、新しい自律的な労働時間制度の是非、年次有給休暇制度見直しなどを考えます。また、報告書が企業実務、裁判にどのような影響を与えるのか、労働側、使用者側弁護士の見解も取り上げます。8月31日に再開された労働政策審議会における労働時間法制をめぐる議論を見守る上で、非常に有意義な特集となっています。

第2特集 改正均等法の論点
第2特集では、来春施行される男女雇用機会均等法を取り上げます。間接差別、妊娠・出産等に対する不利益取扱いの禁止、均等法の実効性に焦点を当て、今秋に策定予定の指針がどうあるべきなど、新しい均等法の方向性を探ります。

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目次

特集:労働時間法のゆくえ

■巻頭言■

労働法のQuo Vadisーあるいは法政策の必要ー

上智大学名誉教授 山口 浩一郎

■「労働時間政策の変容と時間規制の多様化」

ー「今後の労働時間制度に関する研究会」報告と厚生労働省「在り方案」の検討ー

法政大学教授 浜村 彰

■「新たな適用除外制度の是非」

関西大学法科大学院教授 川口 美貴

■「ホワイトカラー労働者と労基法41条2号」

早稲田大学教授 島田 陽一

■「年休制度の見直しの方向ー付与日数拡大から取得日数拡大へ」

九州大学大学院法学研究院教授 野田 進

■「労働時間法制の問題点と立法課題ー労働者側弁護士の視点から」

弁護士 鴨田 哲郎

■「労働時間法制の立法課題ー使用者側弁護士の視点から」

弁護士 峰 隆之

■「事後的に認定された労働基準法上の労働時間について支払うべき金銭の計算方法」

京都大学研修員 木南 直之

 

●第2特集 改正均等法の論点

■「均等法改正における「性差別禁止」の広がりと深化」

ー男女双方に対する性差別禁止と間接差別ー

日本大学法学部教授 神尾 真知子

■「均等法の改正と妊娠・出産を理由とする不利益取り扱いの禁止」

一橋大学専任講師 相澤 美智子

■「改正均等法の「実効性」」

ー改正均等法は雇用における男女平等を推進できるのだろうか?

弁護士 小島 妙子

 

【研究論文】

「ドイツ法における労働条件の変更ー日本法との比較」

ボッフム大学教授 ロルフ・ヴァンク

「知的障害者更正施設入所者の「作業」をめぐる労働法的考察」

ー札幌育成園事件が投射した問題ー

中央大学大学院法学研究科民事法専攻博士後期課程 奥貫 妃文

「「派遣」労働者の派遣先企業に対する法的地位ー第2次朝日放送事件を素材に」

弁護士・関西学院大学法科大学院教授 豊川 義明

弁護士 森 信雄

 

●連載

「労働法の立法学」(第11回)

労使協議制の法政策

政策研究大学院大学教授 濱口 桂一郎

【北海道大学労働判例研究会】

安威川生コン事件

最三小判平成18年4月18日、原審 大阪高判平成14年12月27日

北海道大学労働判例研究会 三浦 保紀

【筑波大学労働判例研究会】

厚生年金基金が年金信託契約に基づき信託した財産の運用方法をめぐって受託者である信託銀行の債務不履行責任が否定された事例

三菱信託銀行(兵庫県乗用自動車厚生年金基金)事件 大阪高判平成17年3月30日

筑波大学大学院博士課程 有森 美木

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