季刊労働法215号(2006/冬季)

特集:労働法の現代化と雇用関係の範囲

このところ、就業形態の多様化に伴い、本来は労働法が適用されるべきでありながら、法的保護の枠外におかれる就業者が増加しています。法的に保護されるべき就業者の範囲をどのように確定するかという問題は、ここ数年、国際労働機関における重要な課題となっております。また、国内でも、労働契約法の適用対象の問題として議論されています。215号では、今年のILO95回総会における「雇用関係」の討議結果を踏まえ、国内の労働者性をめぐる裁判例の動向と債権法改正と雇用契約の見直しを見据えながら、実態に適合した労働法の改革(労働法の現代化)の方向性を模索します。

第2特集 安衛法・労災保険法の改正と今後の課題

第2特集では、過重労働・メンタルヘルス対策の充実などが盛り込まれた改正労働安全衛生法、また、通勤災害の対象を拡大する改正がなされた労災保険法を取り上げます。重大災害、長時間労働による健康障害が社会問題となる中で労働者の安全・健康に関わる問題について考えます。

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目次

特集:労働法の現代化と雇用関係の範囲

■巻頭言■

労災補償法の課題

京都大学教授 西村 健一郎

■就業形態の多様化と労働法の現代化

ーILO「雇用関係に関する勧告」の意義ー

東洋大学法学部教授 鎌田 耕一

■ILO「雇用関係に関する勧告」のとらえ方

ー審議における日本政府の対応ー

京都労働局長(前厚生労働省労働基準局監督課主任中央労働基準監察監督官) 田代 耕太郎

■「雇用関係に関する勧告」の採択について

連合 総合労働局 雇用法制対策局 二片 すず

■ILO「雇用関係勧告」をめぐる討議について

ー使用者側の立場からー

日本経団連労働政策第二本部 津守 恵子

■労働者性をめぐる裁判例の動向と検討課題

千葉大学法経学部助教授 皆川 宏之

■労務サービス契約法について

駒澤大学助教授 向田 正巳

■個人請負の活用動機と労働実態

労働政策研究・研修機構研究員 周 燕飛

■「資料」雇用関係に関する勧告(第198号),雇用関係に関する決議

ILO駐日事務所

 

●第2特集 安衛法・労災保険法の改正と今後の課題

■改正労働安全衛生法と今後の労働安全衛生法上の課題

白鴎大学法学部教授 畠中 信夫

■拡大する産業医の役割と法律問題

北海道大学名誉教授 保原 喜志夫

■新しい通勤災害概念と諸問題

同志社大学大学院博士後期課程 天野 晋介

 

●研究論文●

民法の雇用に関する規定の意義

名古屋大学教授 和田 肇

雇用上の差別における文書提出命令について

ーカナダ法からの示唆を含めて(上)

立教大学講師 柏崎 洋美(HP表示の関係上「崎」になっておりますが、正式には大が立つのサキになります。)

外傷後ストレス障害(PTSD)の業務上外認定

社会保険労務士(東洋大学大学院博士後期課程研究生)田中 建一

既裁定年金の受給権に関する一考察

中央大学大学院後期博士課程 石崎 浩

 

●連載●

「労働法の立法学」(第12回)

定年・退職・年金の法政策

政策研究大学院大学教授 濱口 桂一郎

【イギリス労働法研究会】

イギリス労働法学における人権論の展開

ー新たな労働法規制の理論化の動きー

専修大学教授 有田 謙司

【筑波大学労働判例研究会】

団体定期保険の被保険者とされた死亡従業員の遺族に対する会社の保険金引渡し義務の存否

住友軽金属工業(団体定期保険第2)事件

最三小判平成18年4月11日、労判915号51頁

筑波大学労働判例研究会 早川 智津子

【北海道大学労働判例研究会】

1年契約の合唱団のメンバーの労働者性と当事者意思

新国立劇場運営財団事件 東京地裁平成18年3月30日判決 労判918号55頁 労経速1936号18頁

北海道大学大学院 國武 英生

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