季刊労働法216号(2007/春季)

特集:労働者代表制度の再設計

労働契約法制をめぐる議論の中で労働者代表に重要な役割を負わせようという議論があったことや、労働組合組織率が低下していることから労使自治の枠組みが揺らいでいます。こうしたことから、労働者代表制をめぐる議論が再燃しております。諸外国においても企業・事業所に従業員の代表機関が設置され何らかの制度化がなされていることを考えると、改めて日本における労働者代表制の意義を問うことが必要なのではないでしょうか。このような問題意識から、216号の特集では、「労働者代表制度の再設計」を取り上げます。また、研究論文では、「親会社の使用者性」に関するもの、ネスレジャパンホールディング事件(最二小判平18.10.6)を中心とした最近の解雇判例に関するものなど、5本を掲載いたします。

価格 2,420円(本体2,200+税) 数量

目次

特集:労働者代表制度の再設計

■巻頭言■

労働法制は誰のためのものなのか

法政大学法学部教授 金子 征史

■日本における労働者代表制の現在・過去・未来

中央大学教授 毛塚 勝利

■座談会「労使が考える労働者代表制」

一橋大学教授 盛 誠吾(司会)

連合 総合労働局長 長谷川 裕子

日本経団連 労政第二本部長 松井 博志

基幹労連 事務局次長 石塚 拓郎

日本通運 労働担当部長 秋田 進

■労使関係論からみた従業員代表制

ー「過半数代表者」の実質化を中心にー

京都大学教授 久本 憲夫

■企業規模別に見る労働者代表制の運用と問題点

労働政策研究・研修機構研究員 平澤 純子

■ドイツにみる労働組合機能と従業員代表機能の調整

ー「統制された分権化」へー

香川大学助教授 緒方 桂子

■フランスにみる組合機能と従業員代表機能の調整

桐蔭横浜大学法学部講師 勝亦 啓文

■イギリスにおける組合の機能と新たな従業員代表制度

ー2004年被用者への情報提供・協議規則の意義と課題ー

東京大学大学院博士課程 神吉 知郁子

 

●資料●

就業規則変更法理の成文化に再考を求める労働法研究者の声明

 

●連載●

「労働法の立法学」(第13回)

労務サービスの法政策

政策研究大学院大学教授 濱口 桂一郎

【筑波大学労働判例研究会】

会社再建計画にかかる労働協約の効力とこれを有効であると信じてなした退職の意思表示の効力

箱根登山鉄道事件(東京高裁判決平成17年9月29日 労判903号17頁)

筑波大学労働判例研究会 松森 宏文

【北海道大学労働判例研究会】

法改正に対応した定年延長とこれに伴う賃金減額規定新設の効力

協和出版販売事件(東京地裁判決平成18年3月24日)

北海道大学大学院 浅野 高宏(浅の右側は戈を2つ並べたもの)

【イギリス労働法研究会】

イギリスにおける新たな労働法パラダイム論

ーH.Collinsの労働法規制の目的・根拠・手法論ー

南山大学教授 唐津 博

 

●研究論文●

親会社の団交応諾義務

ーなんのための団交権

北海道大学教授 道幸 哲也

解雇法理の展開(上)/懲戒解雇

ーネスレ日本事件・最高裁判決の意義と課題ー

関西大学法科大学院教授・弁護士 川口 美貴

障害者施設職員を取り巻く現状と労働法的視点からの考察

日本労働法学会会員 河合 塁

マネジドケア組織と米国ERISA上の受託者責任

ーHMOとERISAの受託責任に関する判例法理の検討をとおしてー

国士舘大学講師 根岸 忠

雇用上の差別における文書提出命令について

ーカナダ法からの示唆を含めて(下)

立教大学講師 柏崎 洋美(崎の右側は大が立になります。)

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