季刊労働法226号(2009/秋季)

特集:現下の不況と雇用問題

●「派遣村」報道に接しますと、今回の不況は従来の労働法、社会保障法では十分に対応できない面があることを浮き彫りにしたといえます。
今号では、労働法、社会保障法、社会福祉、社会政策という分野の異なる研究者による座談会を掲載します。社会福祉、社会政策の視点から社会法に対して問題提起をしていただきます。
座談会に加え、今般の不況について、使用者側弁護士、労働団体に何が今後の課題と考えているのか検討していただきます。
●職業訓練の機会に恵まれなかった外部労働市場にいる労働者への対策が求められています。職業訓練については、ジョブカード制度が創設されるなど、対策が講じられてきましたが、その利用は伸び悩んでいるとのこと。
第2特集では、改めて「職業訓練・能力開発」をテーマに今後の能力開発政策、OJTのあり方などを検討します。

価格 2,420円(本体2,200+税) 数量

目次

■巻頭言

労働契約の定義について

山口大学教授 柳澤 旭

 

特集:現下の不況と雇用問題

座談会 貧困・格差をめぐる諸問題と社会法

早稲田大学教授 菊池馨実 九州大学教授 野田 進

慶應義塾大学教授 駒村康平 日本女子大学教授 岩田正美

雇用の変化が実務に与えた影響とその実態

弁護士 丸尾拓養

雇用問題に対する連合の取り組みと今後の課題

連合 雇用法制対策局部長 村上陽子

貧困・労働問題についての日本弁護士連合会の取り組み

日本弁護士連合会・貧困と人権に関する委員会委員

中村和雄 小久保哲郎 小川英郎

 

第2特集 これからのキャリア・職業能力開発

これからのキャリア・職業能力開発

法政大学大学院政策創造研究科 諏訪康雄研究室

自発的学習を促進する公助

外部とのネットワーク化を前提とした内部労働市場における職業能力開発

キャリア形成の視点から見た労働者派遣の今後

能力開発とキャリア形成の場としての社会人大学院その現状と発展に向けた課題

 

■集中連載■

比較法研究・中小企業に対する労働法規制の適用除外

中小企業における労働法規制の適用除外―イタリア―

神戸大学大学院法学研究科教授 大内伸哉

姫路獨協大学専任講師 大木正俊

同志社大学大学院博士後期課程 山本陽大

中小企業に対する労働法規制の適用除外―オランダ―

神戸大学大学院 本庄淳志

中小企業に対する労働法規制の適用除外―台湾―

台北大学法学部博士教師 李 玉春

 

■特別寄稿■

人間らしい労働を求めて

フランスの産業保健制度との比較から

北海道大学名誉教授 保原喜志夫

 

■研究論文■

団結権侵害を理由とする損害賠償法理(1)

北海道大学教授 道幸哲也

就業規則法理の再構成

関西大学大学院法務研究科教授・弁護士 川口美貴 弁護士 古川景一

■イギリス労働法研究会

当事者の自律的規制を促すしくみ

─イギリスの「平等賃金に関する行為準則」を素材に

労働政策研究・研修機構研究員 内藤 忍

■神戸労働法研究会

フランスの最低所得保障・活動的連帯所得(RSA)─

神戸大学准教授 関根由紀

■同志社大学労働法研究会

個別合意による労働条件変更

─個別合意の成立・有効要件を中心に・

豊田通商株式会社 同志社大学大学院法学研究科博士前期課程修了 北山宗之

■筑波大学労働判例研究会

労災事故における被害者の既疾患が寄与した場合と民法722条2項の類推適用

東日本電信電話事件 最一小判 平成20年3月27日 労判958号5頁

筑波大学労働判例研究会 中澤文彦

 

■連載■

労働法の立法学(連載第20回)――最低賃金制の法政策

労働政策研究・研修機構統括研究員 濱口桂一郎

個別労働関係紛争「あっせんファイル」(連載第8回)

韓国における不当解雇等の労働委員会による救済

九州大学教授 野田 進

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