季刊労働法231号(2010/冬季)

特集:これからの有期・派遣・請負

●今号では、「これからの有期・派遣・請負」と題し、非正規という働き方の今後を展望します。有期労働規制の方向性、派遣法改正の行方が不透明な中、どのような法政策が求められているのかについて検討します。
労働政策研究・研修機構が、労働局で取り扱ったあっせん事案を包括的に分析し、そして現に職場で起きている紛争とその処理の実態を明らかにしました。
●第2特集では「個別労働紛争の実態とその処理」と題して、この報告をベースに、雇用終了、いじめ・嫌がらせ、労働条件引下げ及び三者間労務提供関係といったトラブルの解決がどう処理されるのかを詳述します。
そのほか、シンポジウム「労働審判制度の実情と課題を探る」などを掲載しています。

価格 2,420円(本体2,200+税) 数量

目次

特集:これからの有期・派遣・請負

有期労働契約に対する法規制の今後

─有期労働契約研究会報告書を読んで─

熊本大学教授 中内 哲

派遣先事業主の責任の再構成に向けて

九州大学大学院/日本学術振興会特別研究員 鄒庭雲

派遣先での直用化をめぐる諸問題

―派遣労働者の保護をいかにして図るべきか―

大阪経済法科大学講師 本庄淳志

雇用,請負,委任の区別についての一考察

―イギリス職人規制法からの示唆―

駒澤大学准教授 向田正巳

 

第2特集 個別労働紛争の実態とその処理

研究の目的と概要

労働政策研究・研修機構統括研究員 濱口桂一郎

雇用終了事案の分析

労働政策研究・研修機構統括研究員 濱口桂一郎

いじめ・嫌がらせによる非解雇型雇用終了事案に関する若干の分析

労働政策研究・研修機構統括研究員 濱口桂一郎

労働局のあっせんにおける労働条件引下げ事案の分析

労働政策研究・研修機構 アシスタントフェロー/学習院大学非常勤講師 鈴木 誠

個別労働紛争処理事案から見る三者間労務提供関係における紛争の実態と課題

労働政策研究・研修機構 臨時研究協力員/大東文化大学非常勤講師 細川 良

 

■シンポジウム■

労働審判制度の実情と課題を探る

東京大学名誉教授 菅野和夫

東京地方裁判所判事 渡辺 弘

東京地方裁判所所属労働審判員 石澤正通

東京地方裁判所所属労働審判員 村上陽子

日本弁護士連合会労働法制委員会委員 石嵜信憲

日本弁護士連合会労働法制委員会委員 鵜飼良昭

 

■研究論文■

フランスの雇用関係における労働医制度の機能と問題点

早稲田大学大学院 鈴木俊晴

ドイツ法における普通取引約款規制と労働法

立正大学専任講師 高橋賢司

 

■連載■

個別労働関係紛争「あっせんファイル」(第12回・最終回)

あっせん制度の課題

─「迅速,低廉,適正」性の確保のために─

九州大学教授 野田 進

■アジアの労働法と労働問題

中国労働契約法施行後の労働事情と法的問題

─集団的労働紛争とパートタイム労働を中心に─

九州大学大学院法学研究院 准教授 山下 昇

■イギリス労働法研究会

イギリス公務における営業譲渡とストライキ

早稲田大学教授 清水 敏

■神戸労働法研究会

高年齢者雇用確保措置に関する法的問題の検討

-NTT西日本事件を素材に-

三重短期大学准教授 山川和義

■北海道大学労働判例研究会

解雇無効判決確定後に社会保険被保険者資格を回復させることについて,使用者の説明義務違反を理由とする損害賠償請求が認容された例

宮崎信金事件(宮崎地判平21.9.28(判タ1320号96頁))

東京農業大学網走非常勤講師 山田 哲

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