季刊労働法282号(2023/秋季)2023年9月15日発売

特集:企業倫理はどこまで浸透したか

 ビジネスと人権や、CSR、SDGsは重要、というのは多くの論者の意見が一致するところだと思いますが、実務に携わる弁護士などの立場からどう見えているのか、どこまでその精神が浸透しているのか、企業倫理について、あらためて考えます。小特集では、無期転換ルールの見直しと労働条件明示義務の強化、裁量労働制の見直しといった労基則改正について論じます。そのほか、日弁連シンポジウム「シフト制労働のあるべき姿」、集中連載「AI・アルゴリズムの導入・展開と労働法」も掲載しています。

価格 2,970円(本体2,700+税) 数量

特集

企業倫理はどこまで浸透したか

SDGsやビジネスと人権から考えるコンプライアンスの新視点

国際労働機関(ILO)駐日事務所 プログラムオフィサー 渉外・労働基準専門官 田中 竜介

仕事における労働者の人権保障

―ビジネスエシックス、ディーセントワークが要請される時代に

法政大学兼任講師 浅野 毅彦

労働者の人権とビジネスエシックス

弁護士 中野 麻美

インハウスロイヤーが見た企業における人権

マクニカホールディングス株式会社 ジェネラル・カウンセル 弁護士 榊原 美紀

【小特集】改正労基則―労働条件明示、裁量労働制

無期転換ルールの見直しと労基法15条に基づく労働条件明示義務の強化

久留米大学教授 龔 敏

裁量労働制の見直し動向の検討

北海学園大学・弁護士 淺野 高宏

【日弁連シンポジウム】シフト制労働のあるべき姿

独立行政法人労働政策研究・研修機構 濱口 桂一郎 研究所長(基調講演)

首都圏青年ユニオン 原田 仁希 執行委員長

イオン株式会社 人事部 柴山 裕司 リテール人事

弁護士(東京弁護士会) 新村 響子(労働者側弁護士)

弁護士(愛知県弁護士会) 佐藤 有美(使用者側弁護士)

弁護士(大阪弁護士会) 渡邊 徹(司会・コーディネーター)

弁護士(東京弁護士会) 竹村 和也(コーディネーター)

【集中連載】AI・アルゴリズムの導入・展開と労働法

連載の趣旨

九州大学准教授 新屋敷 恵美子

AI・アルゴリズムと協働する働き方と労働法規制へのインパクト

:イギリスにおけるコントロールの形態変化と労働法規制の根拠・形態

九州大学准教授 新屋敷 恵美子

AIマッチングにおける二つの公平性:労働法的検討の基礎として

慶応義塾大学教授 大屋 雄裕 九州大学准教授 東藤 大樹

■論説■

ドイツの賃金透明化法(2・完)

ボーフム大学名誉教授 ロルフ・ヴァンク

学習院大学教授(解説 訳) 橋本 陽子

フランスにおけるデジタルプラットフォームについての団体協約

パリ第1大学助教授・弁護士 フランシス・ケスラー

東北大学教授(解題および翻訳) 桑村 裕美子

労災支給決定処分に対する特定事業主からの取消訴訟と労災メリット制

―あんしん財団事件東京高裁判決・研究会報告の検討を中心に

東洋大学准教授 北岡 大介

■要件事実で読む労働判例―主張立証のポイント 第5回■

就業規則に定めた労働条件の不利益変更に関する要件事実

―山梨県民信用組合事件・最二小判平成28・2・19民集70巻2号123頁を素材に

弁護士 平井 康太

■アジアの労働法と労働問題 第53回■

マレーシアにおける企業別組合

神戸大学名誉教授 香川 孝三

■判例研究■

育児休業等の期間中及び復帰後の人事措置と「不利益な取扱い」

アメックス(育児休業等)事件(東京高判令和5年4月27日LEX-DB25595095)

九州大学名誉教授 野田 進

国立大学法人職員のパワハラ行為と国賠法適用の有無

国立大学法人筑波大学ほか事件(宇都宮地裁栃木支部判平成31年3月28日労判1212号49頁)

弁護士 千野 博之

下請事業者がフリーランスを元請事業者の事業所内で就業させたことの「労働者派遣」該当性

ハンプティ商会・AQソリューションズ事件(東京地判令和2年6月11日労判1233号26頁)

東洋大学名誉教授 鎌田 耕一

■重要労働判例解説■

大学の非常勤講師の労働者性が否定された例

国立大学法人東京芸術大学事件(東京地判令和4・3・28労経速2498号3頁)

日本大学法科大学院非常勤講師 小宮 文人

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