労働判例ジャーナル118号(2022年・1月)

■注目判例

偽装請負と労働契約の成立

東リ事件

■ポイント

 本件は,業務請負契約が偽装請負であるとして,業務請負会社の従業員らが労働者派遣法に基づいて請負先の会社の従業員としての地位の確認などを求めた事案である。労働者派遣法は,脱法目的で偽装請負(違法派遣)を受け入れた会社(派遣先)が,違法に派遣された労働者に対し労働契約の申込みをしたものとみなすとしている(同法40条の6第1項第5号)。本件の従業員らは,この申込に対し承諾したとして派遣先との労働契約の成立を主張したのである。
 1審判決(神戸地判令2・3・13労判1223号27頁)は,本件業務請負契約について,偽装請負(違法派遣)の状態になかったとして,本件従業員らの請求を棄却した。これに対して,本判決は,本件業務請負契約が偽装請負の状態にあり,かつ,本件の会社(派遣先)に脱法目的があったとして,上記の派遣法40条の6第1項第5号に該当し,本件従業員らが承諾の意思表示をしているので,本件会社と本件従業員らとの間に労働契約が成立しているとした。

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目次

◆ 偽装請負と労働契約の成立

東リ事件

大阪高裁(令和3年11月4日)判決

◆ 管理監督義務懈怠に基づく懲戒処分取消等請求

みよし広域連合事件

徳島地裁(令和3年9月15日)判決

◆ 賃金減額合意の成否と解雇の有効性

グローバルサイエンス事件

大阪地裁(令和3年9月9日)判決

◆ 振替休日の取得と慰謝料等請求

関西電力事件

大阪地裁(令和3年9月9日)判決

◆ 監察官等からの退職強要等に基づく損害賠償等請求

山口県事件

山口地裁(令和3年9月8日)判決

◆ 違法懲戒処分に基づく損害賠償等請求

テトラ・コミュニケーションズ事件

東京地裁(令和3年9月7日)判決

◆ 降格無効と地位確認等請求

広島精研工業事件

広島地裁(令和3年8月30日)判決

◆ ハラスメントによる適応障害発症に基づく損害賠償等請求

長崎県事件

長崎地裁(令和3年8月25日)判決

◆ 雇用契約締結に基づく未払賃金等支払請求

キサラギコーポレーション事件

大阪地裁(令和3年8月23日)判決

◆ 使用者の責めに帰すべき事由による労務不提供と未払賃金等支払請求

シャプラ・インターナショナル事件

東京地裁(令和3年8月19日)判決

◆ 労働契約締結合意に基づく未払賃金等支払請求

臺灣新聞社事件

東京地裁(令和3年8月19日)判決

◆ 2度の降格無効差額賃金等支払請求

シーエーシー事件

東京地裁(令和3年8月17日)判決

◆ 未払賃金及び未払解雇予告手当等支払請求

Rアイディア事件

東京地裁(令和3年8月17日)判決

◆ 予備校講師の雇止め無効地位確認等請求

学校法人河合塾事件

東京地裁(令和3年8月5日)判決

◆ 就業規則の不利益変更と手当等支払請求

学校法人上野学園事件

東京地裁(令和3年8月5日)判決

◆ 試用期間中の本採用拒否と未払賃金等支払請求

小寺工務店事件

東京地裁(令和3年8月4日)判決

◆ 公益通報を理由とする懲戒処分無効等確認請求

学校法人國士舘事件

東京高裁(令和3年7月28日)判決

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