雇用助成支給決定3兆円 経営難企業重点支援へ 厚労省、特例を縮小

 休業手当を一部補塡する雇用調整助成金の支給決定額が4月下旬、3兆3千億円を超えた。出元の雇用保険財政が苦しくなり、厚生労働省は特例的に引き上げた助成率や日額上限を5月から次第に縮小すると発表している。経営難の企業や感染が拡大する地域に支援を集中、雇用を維持する。
 助成金は、新型コロナウイルス感染拡大による雇用悪化に対応するため、特例として日額上限が約8300円から1万5千円に引き上げられていた。大企業が2分の1、中小企業が3分の2だった助成率も、ともに最大10分の10へ広がった。
 5~6月にはこの特例が、原則として企業規模に関係なく上限1万3500円、助成率は最大で大企業が4分の3、中小企業が10分の9となる。
 経営が厳しい企業は、直近3カ月の平均売上高が3割以上減った場合、上限1万5千円、助成率最大10分の10を維持する。まん延防止等重点措置の適用地域で時短要請に協力した飲食店なども同様に対応する。
 支給手続きを簡単にしたことが、利用拡大の一助となった。ただ、支給決定の急増に伴い、雇用悪化に備え積み立てた資金は、本年度末にほぼ払底すると予測される。財政悪化を懸念する財務省は4月、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)分科会で「雇用情勢が大きく悪化しない限り(特例を)早期に解消するべきだ」と主張した。
 政府は7月以降、特例をさらに縮減する予定。自民党雇用問題調査会は23日、苦しい雇用保険財政を一般会計からの資金で支えることを視野に入れ、柔軟に対応するよう厚労省へ提言している。

 

提供:共同通信社

(2021年4月29日)
 

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