外国人労働者、2・7倍 人口流出の被災3県 コロナで受け入れに厳しさ

 東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島3県で働く外国人労働者数が、震災前の2・7倍に増えていることが11日、分かった。震災直後は多くの外国人が帰国したが、復興が始まると全国を上回るペースで増加。人口が流出する中、貴重な働き手として地域を支えてきた。ただ新型コロナウイルスの影響もあり、受け入れを巡る状況には厳しさも出ている。震災発生から9年半となった。
 厚生労働省によると、全国の外国人労働者数は2019年10月時点で約165万8800人と、震災前の10年10月の2・5倍。このうち被災3県は、約1万400人だったのが約2万8300人と2・7倍になり、増加ペースは全国を上回る。
 震災の影響で被災地の外国人が一時急減した11年10月以降の伸びは顕著で、全国で2・4倍なのに対し、3県は3・7倍だった。
 背景にあるのは人手不足だ。総務省が公表する人口推計によると、3県では働き手となる15~64歳の生産年齢人口が11年から19年にかけ、1割超の約40万人減少した。全国平均を上回るペースだ。岩手県山田町にある水産加工会社の幹部は「何年も求人を出しているが日本人の応募者はいない。外国人は会社の戦力だ」と言い切る。
 ただ、最近では外国人労働者の多くを占める技能実習生の確保が難しくなりつつある。新型コロナの影響で、実習生の新規受け入れや再入国が難航。入国制限は少しずつ緩和されてきたものの、ベトナムや中国など送り出し側の給与水準が上昇していることもあり、今後は実習生のなり手不足も予想される。
 被災地の経済に詳しい関西大の永松伸吾教授(災害経済学)は「安価な労働力に依存するだけでは働き手となる地域の若者は離れてしまう。付加価値の高い商品を開発するなどして給与水準を上げ、国内外の若者から選ばれる職場に転換していくべきだ」と指摘している。

 

提供:共同通信社

(2020年9月11日)

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