勤務医、残業上限超え4割 24年度から適用予定

 厚生労働省は31日、病院の常勤医約9千人のうち、労働時間が週60時間以上と答えた人が4割近くに上るとの調査結果を発表した。週60時間働いて生じる残業時間は年に換算すると960時間に相当する。厚労省は、2024年度から勤務医一般の残業上限時間を年960時間とする方針だが、調査によると、多数の勤務医がこの上限を守れない恐れがある。
 調査結果では常勤医のうち1割が、年換算で1824時間を超える残業をしていることも判明。厚労省は地域医療を担う特定の医療機関や研修医について、特例として残業の上限を年1860時間とする方向で検討している。担当者は「特例上限を下回る医師が増えるような取り組みが必要だ」としている。
 働き方改革関連法で導入された残業時間の上限規制に関し、一般の労働者は19年度から適用されたが、医師は5年間猶予とされ厚労省の有識者検討会で残業上限時間などを議論。
 19年3月にまとめた報告書で上限時間を具体的に定め、健康確保措置として勤務間インターバルの導入や、連続勤務が28時間を超えないようにすることを義務付けることを盛り込んだ。
 厚労省は19年9月、全国の医師約14万人を対象に勤務実態を調査、2万人余りから回答があった。このうち病院で週4日以上働く常勤医約9千人について労働時間を分析した。
 また厚労省は、医師の働き方改革が地域医療に及ぼす影響に関する調査結果も公表。都市部に近い大学と地方大学の二つの大学病院における医師の勤務状態を調べると、大学病院と他の医療機関を兼務する医師について、合算した労働時間が上限を超えるケースが出ていると指摘した。

 

提供:共同通信社

(2020年7月31日)

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