心の病、女性申請急増 19年度労災、最多更新 目立つハラスメント原因

 厚生労働省は26日、仕事が原因でうつ病などの精神疾患にかかり、2019年度に労災申請したのは前年度比240件増の2060件、労災認定されたのが509件で、いずれも1983年度の統計開始以降、最多だったと発表した。女性の申請が164件増の952件と、男性に比べ大幅に増加。認定されたケースのうち自殺(未遂含む)が88人で前年度より増えた。
 認定原因では「嫌がらせ、いじめ、暴行」が79件、「セクハラ」42件など職場でのハラスメント関連が多かった。企業にパワハラ防止対策を義務付ける女性活躍・ハラスメント規制法が6月に施行され、厚労省の担当者は「立法の動きを受け、関心が高まったのではないか」と分析している。
 業種別の認定件数では「社会保険・社会福祉・介護事業」が48件と最も多く、「医療業」(30件)、「道路貨物運送業」(29件)と続いた。年代別にみると、20代からの申請が前年度より100件増と大幅に伸び、若い世代が精神的な負担を抱える傾向が浮き彫りになった。
 過重労働が原因の脳・心臓疾患による労災認定は216件で、22件減少した。うち死亡(過労死)は86人だった。
 業種別の認定件数では「道路貨物運送業」が全体の3割近い61件。「その他の事業サービス業」「飲食店」「飲食料品小売業」と続いた。
 認定されたケースで月平均の時間外労働をみると、発症前1カ月間については120時間以上140時間未満の33人、2~6カ月間の月平均では80時間以上100時間未満の73人が最多だった。過労死ラインは発症前1カ月間の時間外労働が100時間、2~6カ月間では平均80時間とされている。
 あらかじめ決まった一定時間を働いたとみなす「裁量労働制」の適用者で労災認定されたのは脳・心臓疾患、精神疾患を合わせて9件で、うち過労死が1人。全てシステムエンジニアなどの専門業務型だった。

 
提供:共同通信社

(2020年6月26日)

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